Fumiya Arimitsu
Architect


  ・若いうちは東京に出とこう
  ・負けたくねぇな
  ・そのときに熊本地震があった
  ・なんかしなきゃって

 

有光 史弥さん
東京都江東区
建築設計事務所 勤務

 

若いうちは東京に出とこう

マジで物が無さすぎだよ、つい先日引っ越して、
この部屋で日曜日を過ごしたのが1回か2回ぐらい。
前の家には本と服しか持ってきて無かったんよ、
それで、簡単にここに引っ越せた。
本棚は建築書だらけ。
持ってる本は全部持ってきたかったんだけどね。
実家には、これの3、4倍は本がある。

今は、とある建築設計事務所に勤めています。
試用期間中で、まだ今後どうなるか分からない。
今年の3月に熊本の大学院を修了して、
まだ、勤め先が決まっていなかったけど
とりあえず上京した。
状況的に自分を追い込もうと思って。
建築設計事務所は地方にもあるけど、
行ったことが無いところに行って、
やっていきたいというか、
将来的に地方で仕事をやりたいって気持ちはあるから、
若いうちは東京に出とこうって。

 

 

負けたくねぇな

いやぁ、大学に入る時は特に建築に興味はなかった。
消去法、消去法で建築。
工学部の中で、情報系とか興味無いし、
機械とかもっと興味無いし、
建物系なら、みたいな。
実家が水道とかトイレとかの水回りの設備会社やけん。
だから、まあ、多少は馴染みがあるなぁと。

大学の1、2年の頃は適当にやってた、課題とか。
のほほんとしてたよ。平和に。よくある大学生。
3年の頃から、あ、負けたくねぇなって。
同級生にさ、能力をひけらかしてくる奴がいて。
学力的な成績は俺が上だったんだけど、
設計系の成績がそいつの方が少し上で。
最初は、別に俺は設計とか興味なかったから、
どうでもいいなって思ってたけど、
そいつが、「設計はお前より上だから」
って言ってくるから、
こいつを叩きのめしてやろうと思って、
設計も頑張りだした。

意外と自分にも知的好奇心があるんだなって思って
知識を使って設計すると、あ、楽しいって。
課題とかもやらなきゃやばいって感じじゃなくて、
楽しい、知りたいって。
そういうことを自覚できたのが、
大学の3年生ぐらいだった。

 

 

そのときに熊本地震があった

大学院を卒業して、今みたいな
小さなアトリエ系の建築設計事務所じゃなくて
ゼネコン系とかに行ってのんびり暮らそうかなって
最初は思ってた。
就活はめっちゃしてたよ、
ゼネコンの最終面接まで行って、
もう決まるねって感じで。
そのときに熊本地震があったの。

地震の影響で1ヶ月ぐらい就活はストップしたの。
そのときに色々考えてたら、なんか違うなって。
それで、そこを断った。
避難所とか被害が酷かった場所を回ってるうちに、
いつ何が起こるかわからないから、
後悔しないように生きなきゃなって思った。
だから大変かもしれないけど、
小さなアトリエ系の建築設計事務所に挑戦しようと。
まあ、親には迷惑をかけてるよ。

地震の時は2回、震度7がきたんだけど、
1回目は大学の研究室にいて、
階段とかにヒビが入って、
やべえなとか、その時は軽く思ってたんだけど、
2回目の時は家にいて、
1回目の後に避難して疲れ切った中、
やっと寝れるって思った時にまた地震が来て、
家の中はテレビとか全部割れて、食器も散らばって、
冷蔵庫も倒れて。
そのまま大学のグラウンドで一晩過ごして、
避難所で3日、4日過ごした。
本当に怖かったよ、地面が割れるかと思った。
明日も生きれるのかなって思った。少し。

 

 

なんかしなきゃって

地震の後、物資の物流が止まったから、
物資を流通させるボランティアをやってた。
当時、車を実家から持ってきてたけん、
それを使って運んで。

そのあとは、紙製の筒と白い布を使って、
避難所に間仕切りを作る活動を
提案する建築家の人が、熊本に来て、
自分が所属してた研究室とコラボしたんよ。
その活動に携わって、避難所を全部回って、
間仕切りを作ってた。2ヶ月ぐらいやったのかな。

地震の時は、熊本から脱出した人も多かったね。
俺の住んでたアパートって、
いつもは30人ぐらい居るんだけど、
俺以外いなくなった。びびったもん、誰もいない。
親に地元(福岡)に帰ってこいって言われたよ。
でも、大学院生にまでなると、
なんかしなきゃって、社会的に。
地元に戻って、熊本どうなってんのかなって
心配するよりは、元気なら動けよって感じの人が、
周りの友人にも多くて、半分ぐらいは熊本に残ったから
じゃあ一緒にやろうって。

  

Pick up Book

“SD 特集:アルヴァ・アアルト (スペースデザイン)”

アアルトの本にしようかな、1977年の本。
これはヤフオクで買った。欲しかった。
アアルトの作品集ってあんまりなくて、
この人は膨大な作品を作りすぎて、
全部を知ることは不可能なんだけど、
思想とか代表作をまとめていて読み物として面白い。
ただ、絶版。
古さがいいよね、中古だから、
新品よりこういう古書のほうが好き。