Rina Ozawa
Grad Student


  ・つまらなかった人生で
  ・小説家になると思ってました
  ・自分は、なにかできるはずだって思いません?
  ・原点回帰

 

小澤 理奈さん
東京都練馬区
大学院生

 

つまらなかった人生で

なんかつまんなかったんですよ。人生が。
本当に人生がつまらないなって思って。
そのきっかけが、
一番行きたい高校に行けなかったんです。
それまで順風満帆な人生を送ってきて、
恋愛も友情も、何も困ったことがなくて、
すごく平和にノンノンと生きてきて、
読書感想文を書けば賞をもらえるし、
自由研究をやれば県大会に出せるし、みたいな。
自分にできないことなんて
何も無いって思ってたんですけど、
はじめて人生で挫折して、
自分が思ってなかった道に進むことになったんですね。

高校は進学クラスで0限目から7限目まであって、
ひたすらやって自習して帰るみたいな。
で、夜、自転車でぐわーって家まで帰ってると、
なんでこんな中、チャリを漕いでるんだろうって、
こんなはずじゃなかったのに。
中学校のときに仲がよかった子たちが、
自分が行きたかった学校で、
すごく楽しそうにしてるのを見ると
なおさら考えちゃって、
なんのために人は生きるのか、
なんで人は生きているのか、
そこから、結構哲学とかを考えるようになりました。

最初はそういうことが哲学って知らなくて、
もともと国語の成績は良くて、
放課後とか休憩時間とか、
国語の先生のところに喋りに行ってたんです。
そのときに、
この本(「14歳からの哲学」著:池田晶子)
を先生に貸してもらって、
あ、これが哲学なんだって、
それで興味を持ちはじめました。
哲学とか生命倫理とか、
本棚には哲学系の本が若干多いかもしれないです。

 

 

小説家になると思ってました

もうずっと本は読んでます。
生まれた瞬間から、
紙芝居とかをお母さんが読んでくれて。
みつばちハッチとかちょっと古いやつ。
お母さんがおばあちゃんに読んでもらっていた紙芝居を
私がお母さんに読んでもらって、育ちました。
絵本とか読むのも、すごく好きだったんですよ。
図書館に毎週行って、貸出の限度冊まで借りて来て、
お母さんに読んでもらうとか。

だから自分は小説家になると思ってました。小さい頃。
実際に書いたこともありました。
小学校6年の時とか中学校1年生の時とか、
そのとき、こっそり書いてたんですけど、
お母さんにバレて、面白いよとか言われて、
照れくさくなって、書くのやめちゃいました。

 

 

 

自分は、なにかできるはずだって思いません?

地元の富山県に立山っていう山があるんですけど、
すごくきれいで、どこを歩いても見えるんですよ、
ああ、今日は晴れてるから見えるなって。
それが他の県には無いって知って衝撃を受けて。
それぐらい自分の中では元気をもらっていて、
ただの環境なのに自分に元気を与えてくれる
地域に誇りを持っています。

地元はすごく好きです。
こんなに自然があって、
こんなに美味しいものもあって、
こんなに平和で、こんなに広々としてて。
自分にとってのアイデンティティと重なる部分が
あるのかもしれないですね。

だけど、広い世界に出てみたい
っていうのは小さい頃から思っていて、
もっともっといろんな人と出会ってみたかったし、
どうして、なんのために生きるのっていうことも
いろんな人と共感しあって
そういうことに興味がある人とか、長けている人とか、
そういう人にもっと出会いたかった。
だから東京に出て、
でも、いずれは戻ってこようと思ってました。富山に。
外からも中からも富山を見た自分でしか
できないことをやりたいっていうのがありました。

なんだろうな。
自分は、なにかできるはずだって思いません?
そう、思いますよね。
人生、なにかできるって。自分は特別だって。
哲学書にも書いてあって、
誰もが、自分は人よりもできるとか、
自分にしかできないことって
絶対にあると思うんですよ。
私はそれがまだ見つけられなくて。
その材料も結構ばらばらで、
もっともっと自分の知らないものを見てみたい、
そういう意欲があって、それが抑えきれなくて、
でも、大学生活では満足に得られなかった。
そうなった時に大学院っていう存在がでてきました。

 

 

 

原点回帰

この文学集は、富山のおじいちゃんが亡くなる前に、
私がすごく小説が好きなので買ってくれたんですよ。
読んだときにおじいちゃんを思い出す、
っていう意味を込めて東京に持ってきました。

朝起きて、この本棚が見えるんですよ、
で、おじいちゃん、おはようって思って。
それと、本棚のここら辺を見ると、
当時のことすごく思い出すんですよね。
これは高校生の詰まっていた時に貰った本だ、とか。
1冊1冊買った当時の記憶が鮮明に残ってて、
だからこっちの目の届く所に並べてあるんです。
本当はよく読む漫画をこっちに置いた方が、
便利なんですけど。
並んでる本を見て、自分を見直すというか原点回帰する
っていうのは本の存在として大きいかもしれないです。

 

Pick up Book

“一人の男が飛行機から飛び降りる”

著:B.Yourgrau 訳: 柴田元幸

一冊って難しい。
ああ、悩む。
うーん。
自分がもともと知らなくて、
知ってよかった本のほうがいいと思うんですよね。
こんな名前聞いたことないって本を
自分的には紹介したい。
そう思ったらこれかな、あんまり聞いたことなさそう。

 

 

これのいいところはかなりの短編なんですよ。
本当に短い短編なんですよ。
え、ここで終わっちゃうの?みたいな。
これは本を読むのが好きじゃない人でも、
スッと終わるし、読むの楽しいな、ってなると思う。
自分は寝る前とか、
休日に起きて、ちょっと頭使いたくないけど
何かしようって時に読んでます。めっちゃ面白い。

表紙の絵、
この人、魚でヴァイオリン弾いてるんですよ、
やばくないですか?
しかも下が水でビチョビチョなんですよ。
この状況やばくないですか、半端ない。
この絵を見て、これは読むしかないって。
そういう出会い方でしたね。